2013年4月16日火曜日

成年後見人と遺産分割

日本弁護士連合会は、成年後見人であった者が、成年被後見人死亡後、その遺産分割協議において、相続人の一人の代理人となることについて、以下のような見解を示しました。

成年後見人の職にあった者が一部相続人の代理人となり活動した場合に非行に該当するか否か問題となるのは以下の場合である。
1. 成年後見中の行為について、善管注意義務違反や後見報告書の内容の不正不備が存し、一部相続人からの受任が、それを隠匿する等の目的である場合
2. 相続人間で争いとなった内容について、成年後見人でなければ知りえなかった事実を、依頼相続人のために利用するような場合

相続が発生している時点で、成年被後見人は亡くなっているため、形式的に利益相反となることはないのですが、一部の相続人の代理人となって、その他の相続人と交渉することになると、成年後見人として知り得た事実を一部の相続人のために利用していると疑われると、トラブルになることがありますので、注意する必要があります。