滋賀県の80歳の女性が、公安を名乗る電話で送金を指示されて2ヶ月の間に1億3000万円を宅急便で送ったと報道されています。
公安が電話で宅急便で現金を送るよう指示をするという奇想天外ななりゆきのようなので、誰かに相談をすればおかしいと気づいたはずです。
相談までに2か月もかかったのは、公安を名乗って犯罪行為をしたと言っているので、警察に相談しにくい、親戚にも言いにくい、他人に知られないように自分でそっと処理しよう、という心理を利用したためと思われます。
家族に相談をしていれば、と思われる事件がしばしばあるのですが、お金に関しては、家族には相談がしにくいという高齢者側の事情があります。
子の一人を名乗って金を要求している場合、他の子に相談をすれば、助けを求めて来た子のトラブルが他の子に知られてしまう。
多額の金を持っていてそのような電話がかかってくるようになり、不安になった家族が高齢者の財産の管理すると言い出し、自分の財産を自由に使えなくなる。
払ってしまった後で相談をすると、どうしてそんなことをしたのかと叱られたり、頼りない高齢者扱いされたりする。
家族でも、近所の人でもなく、相談内容が外部にもれない相談相手がいればいいのに。
そこで高齢者を対象にした講演会ではいつも最後に以下のような提案をしています。
弁護士の名刺を受け取って帰る。
受け取った名刺を電話の横に貼っておく。
怪しい電話がかかってきたが自分では断りにくい場合、「顧問弁護士に相談をする」と言う。
実際に顧問契約をすると毎月の顧問料がかかるので、顧問契約をすることはないが、この一言で退散する相手もいる。
それでもしつこければ、弁護士に電話をして相談をする。
詐欺にお金を払う前に一度お試しください。
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